警備員のお仕事というと、真っ先に思い浮かぶのが交通誘導です。道路工事のとき、旗や赤い誘導棒を振って交通整理をしている姿をよく見かけます。また商業施設やイベント会場の駐車場などでも、来場者や車の誘導もおこなっています。暑い日も寒い日も、私たちの安全のために交通誘導をしているのです。
しかし、警備員のお仕事はこれだけではありません。あまり知られていませんが、警備員のお仕事にはいくつかの種類があります。
今回は、警備員がおこなうお仕事を詳しくご紹介します。また、警備会社に依頼する際に、気を付けていただきたい5つのポイントもお話しします。警備員のお仕事をしっかり理解して、依頼内容にそった警備会社を選ぶようにしましょう。
人々を危険から守る警備員の主なお仕事
警備員は、対象者の安全を守る職業です。安全というのは、さまざまな意味を含みます。
冒頭でお話しした交通誘導などは、車と歩行者、または車同士の接触を避けるように誘導するお仕事です。けがや命を落とす事故を避けるということは、対象者の「体の安全」を守っていると言えるでしょう。
そのほかにも、警備員は「利益の安全」「心の安全」「資産の安全」を守るお仕事をしています。詳しい内容を見ていきましょう。
最も多いお仕事は「交通誘導」
通行人や車が、安全に通行できるように誘導しするお仕事です。駐車場や工事現場など、人の出入りが激しい場所では、どんな事故が起きるかわかりません。
デパートや大型施設の駐車場では、出入庫をスムーズに促します。また、違法な駐車や駐輪を防止するため、駐車場内のパトロールをするのもお仕事のひとつです。工事現場では、自動車事故が起きないように交通整備をします。
来場者の道案内や誘導を行う「イベント警備」
イベント会場は多くの人が来場するため、混乱が起きやすい場所です。警備員は大きな混乱が起きないよう、来場者の道案内や誘導をおこないます。また、多くの人のなかに不審者が紛れ込んでいないかチェックします。そのほか、迷子の保護や周辺道路の安全確保なども仕事のうちです。
オフィスや店舗の大切なものを守る「施設警備」
オフィスには、仕事上の機密や個人情報が保管している場合があります。そのため関係者以外がオフィスに近づかないよう、監視するのが警備員のお仕事です。オフィスビルの入り口前に立ち、出入りする人のなかに不審者がいないかチェックします。
また、ビル内の見回りをして、安全確認をするのも警備員のお仕事です。夜間のみの警備のほか、24時間警備をおこなう場合もあります。
私服でスーパーなどの施設内を見回り、万引きを取り締まるのも「施設警備」に含まれます。いわゆる「万引きGメン」です。そのほかにも、置き引きや違法行為の防止、不審物の発見などもおこなっています。
通勤・通学時に不審者から守る「身辺警備」
最近、殺人や誘拐、強盗などといった犯罪が増えてきています。そのような危害から、対象者の身を守るのが身辺警備です。ストーカーなどの不審者や、暴力などのトラブルから対象者を守るお仕事です。また、子どもの通学時の警備もおこなうこともあります。
身辺警護というと、スーツを着て対象者の側に立っている姿が思い浮かびます。しかし警備の内容によっては、私服に近い姿で警護につく場合もあるようです。
ご自宅の安全を守る「機械警備」
何らかの異常があったときに、警備会社の職員に駆け付けてもらえる、警備システムです。自宅に専用の機器を取り付け、その機器が犯罪や危険を察知すると、警備会社に連絡がいきます。
常に人がいる警備ではないので、気兼ねなく利用できます。また、ドアカメラ機能や、子どもの帰宅を通知する機能が付いた機器もあり、とっても便利です。
警備会社はどこが良い?失敗しない選び方
本来、トラブルを未然に防ぐために警備員を雇います。ですが時には警備員、または警備会社がトラブルの原因になってしまう場合もあります。せっかくお金を払って依頼するのですから、できるだけトラブルは避けたいものです。
そこで、この項目では警備会社を選ぶ際に失敗しない選び方をご紹介します。
依頼したい業務が得意なところを探す
警備会社によって、得意な業務が異なります。そのため警備会社を選ぶときは、まず依頼内容を明確にすることが重要です。依頼する仕事の内容をまとめたうえで、会社を選ぶようにしましょう。
警備会社のホームページを見ると、得意な業務や、力を入れている業務がわかります。警備会社を選ぶ際は、各会社の得意業務を確認するようにしましょう。
急な依頼にも対応してもらえるか
警備業界は人材不足といわれています。少ない人数で多くの業務をこなしていることが多いのです。急な依頼に対してあからさまに粗雑な対応をとる会社には注意しましょう。教育の行き渡っていない人材を派遣される危険があります。
逆に、快く請け負ってくれる会社は、良い人材を派遣してくれる可能性が高いものです。依頼の際の対応も、警備会社を決めるうえで参考にしてみてください。
しっかりした実績があるか
過去の実績に、大手の警備をしたことがあるかどうかをチェックしましょう。大手の警備は、信頼のおける警備会社に依頼することが多いのです。ほとんどの会社は、ホームページ実績が載っています。
警備会社を選ぶ際は、必ず実績を確認してください。
警備員の印象が良いか
警備員の印象や態度が悪いと、トラブルに発展することがあります。商業施設の警備などは、迷子や道案内など、気配りが必要でしょう。身辺警護も、内容によっては、対象者のプライベートに深く関わってきます。
せっかく警備目的で雇ったにもかかわらず、トラブルがおこってしまっては本末転倒です。警備員の印象がよい会社を選ぶようにしましょう。
機械警備の場合は何を選ぶべき?
機械警備を選ぶ際、注意して見ていただきたいのは以下の項目です。
●自分が欲しているサービスが含まれているか
警備会社によって提供しているサービスが違います。「大手だから」という理由で選ばず、自分が欲しいサービスかどうかで選んでください。
●警備会社の人の反応や、緊急時の出動時間はよいか
警備員の緊急時における反応の速さも重要です。機械警備が作動した場合に、どれだけ早く駆け付けてもらえるのか、聞いてみましょう。また警備員が詰めている場所が自宅から遠い場合、到着が遅れてしまいます。機械警備を選ぶときは、警備員の待機場所を考慮する必要があります。
●防犯機器が日常生活に影響を与えていないか
どんなによいサービスを提供していても、防犯機器が生活に悪影響を及ぼす場合は考えものです。
「防犯機器が大きくて、生活するのに不便そうだ。」
「お試しでつけてみたけど、誤作動が多くて困る。」
などの問題が起きる場合は、警備会社を選び直す必要があります。
まとめ
いかがでしたか?警備会社の業務の種類や、内容がおわかりいただけたかと思います。まとめてみましょう。
・警備会社の業務はたくさんの種類がある。警備を依頼する際は、仕事内容に合った会社を選ぶとよい。
・いい加減に警備会社を選ぶとトラブルの原因になる。依頼先は慎重に選ばなくてはいけない。
今回お話ししたことに注意して、自分の状況に合った警備会社を選びましょう。