頻繁(ひんぱん)ではなくても目にすることのある学校の警備員ですが、実際どのような業務をしているのが気になりますよね。学校で働いている警備の方は、生徒や教員の方が安心して生活できるように、建物の巡回から校門の開閉などをおこなっているのです。
そんな警備員の方が働くにあたって必要な資格や条件などは、どのようになっているのでしょう。学校の警備がどういう仕事か気になっている方のために、実際に学校警備の業務や特徴などをお話します。
また、警備員になるために必要な資格や条件、職務につくまでの流れもお教えいたします。ぜひ最後までご覧になって、参考にしてください。
学校の警備ってなにをするの?
学校の警備をする理由として、生徒や教員の方の安全を守ることです。生徒と教員の安全を守る警備員の業務内容とは、どのようになっているのでしょうか。
警備の業務内容は、人が安全に過ごせるかを確認するための建物の巡回などです。万が一建物にひびなどがあった場合、近くを通った生徒や教員が不意にけがをしてしまう可能性もあるでしょう。
もちろん、それだけではありません。学校の校門の開閉や保護者の案内などもあります。ときには車の誘導、近隣住民からの苦情に対応することもあるのです。
このような業務内容の警備の仕事ですが、じつは実働時間は短くなっています。生徒が登校してくる朝と下校する夕方、学校の鍵かけなどが主な実働時間になり、残りの時間は用務室で電話番をしていることが多いようです。
警備員は、ただ建物や登校してくる生徒などを見ているだけではありません。校内に入ってきた人間が怪しくないかを調べるために、話しかけたりもします。そのため、生徒と話す機会もあり、生徒のさまざまな本音が聞けることもあります。
また、警備員の勤務時間は担当する現場によって違い、数時間~8時間と幅広くなっているので、学生や定年退職をした男性などが就きやすい職業なのです。
学校の警備員の特徴
学校で勤務している警備員は、どのような特徴があるのでしょうか。気になる特徴について、3つご紹介します。
体力が必要となる場面は少ない
警備と聞くと怪しい人物などを捕まえるイメージがありますが、じつは学校で勤務する警備員は体力を使うことがほとんどありません。なぜなら、警備員はさまざまなトラブルなどを未然に防ぐために、細心の注意を払って監視などをしているからです。
ただし、場合によっては現場へ駆けつけたり、届いた荷物を運んだりすることもありますので、決して体力が必要ないということはありません。警備員の仕事を考えている方は、覚えておいたほうがいいでしょう。
しっかりとした研修がある
警備員の仕事をする前には、必ず研修を受けなくてはいけません。これは、学校の警備に限らず、学校以外の施設やイベント会場の警備をする場合は受けるものです。では、なぜ研修を受けなければいけないのでしょうか。
警備員は建物の巡回などがあり、たくさんの人や施設の安全を守っています。そのため、面接を受けて合格しただけでは、現場で働くことはできません。また、一定の時間研修を受けることは警備業法という法律で定められているのです。
危険な場面に立ち会うことを想定する
警備と名の付く仕事ですから、万が一の危険があることを知っておいたほうがよいでしょう。たとえば、学校では理科の実験や調理実習などがあります。そのときに、火を使用していて火災が発生してしまうことも考えられるのです。
もちろん、それだけではありません。不審者が侵入してくる可能性もあります。そのようなことにならないために、警備員は監視・点検や巡回をして、危険を未然に防ぐことが大切になってくるのです。
必要になる資格や条件について
警備員の仕事を考えている方にとって「資格が必要なのか」「条件はどうなのか」気になるところでしょう。資格が必要な場合は取得しなくてはいけませんし、条件が満たせなかったら警備の仕事に就くことができません。この章で詳しくご説明していきます。
学校の警備には資格は必要なし
警備員になるのに取得必須な資格はとくにありません。しかし、管理職を目指す方には、警備業務に関連した資格があります。管理職を目指している方は取得する必要がありますが、学校の警備の際には必要ないことが多いです。
ですが、万が一ということもありますので、本当に資格が必要ないかをしっかり調べておくことをおすすめします。
条件について
警備員になる条件として、警備業法による年齢制限があり、18歳になっていない高校生などは警備の仕事はできません。また年齢だけではなく、研修を受けていないと警備の仕事をすることができないのです。
このことは、先ほど警備の特徴でお話しさせていただいた内容と同じです。もう少し詳しくご説明します。研修期間は約3~5日ほどで、時間は約30時間となっています。
指定された内容と時間の研修を受け、さらに18歳以上の方が警備の仕事ができるのです。ここでひとつ、注意しなければいけないことがあります。働きたいからという理由で年齢を偽ってしまうと、法律違反になってしまうので絶対にやめるようにしてください。
職務に着くまでの流れ
先ほども少しご説明しましたが、警備の仕事に就くためには約3~5日、30時間ほどの研修が必要です。これは「警備業法」という法律で定められています。研修時に警備員教育をおこなうのは、すでに国家資格を持つ警備のプロフェッショナルです。
研修を受ける際に短期や長期などは関係なく、警備の仕事をする人たちは全員受けなくてはいけません。
研修の内容として、最初はテキストやDVDを使用した講義と実技をおこないます。実技では、基本姿勢や大声を出す訓練がおこなわれるそうです。
先ほどあげたのは基本教育というもので、つぎに受けるのが必要な専門知識と技能についての講義です。これは「業務別教育」と呼ばれており、実際に仕事をする現場に即した知識を身につけていきます。この業務別教育の後半では、実際に仕事をする現場で実地教育を受けることになります。
警備の研修は基本教育と業務別教育を受けただけではありません。じつは、警備員の仕事についてからも「現任教育」というものがあります。この研修は年に2回おこなわれます。この現任教育は、警備の仕事の質を高めることを目的としておこなわれているものです。
警備員を長く続けていたい方は、警備会社独自でおこなっている研修もあるので、積極的に参加してステップアップを目指すものいいでしょう。
以前別の警備会社で働いていたり、警備に関する資格を持っていたりする場合は、一部の研修が免除になることがあります。面接のときなどに確認しておくことをおすすめします。
まとめ
警備員になるためには、資格が必要ないとしても研修を受けなければならないです。学校の警備の方たちも、生徒や教員の安全、また建物に異常がないかなどを確認するという、責任ある業務なのです。
そのような警備員ですが、学校の生徒と話す機会があることで、生徒の本音が聞けるなど仲良くなることもあるようです。常に安全のために働いている警備員にとっては、心落ち着くことかもしれません。
人の安全を守る警備の仕事は、責任もありますが人の役に立つ仕事をしたい方にはおすすめの仕事といえることでしょう。