「我が子がもし犯罪に巻き込まれたら……」と考えてしまう親御さんも多いのではないでしょうか。もしそのような事態に陥ってしまっても私たち大人がいれば安心ですが、お子さんを不審者から守るというのも難しいものです。
では、どのように子供を守っていけばよいのでしょうか、そこで活躍するのが今からご紹介する防犯ブザーです。
この記事では、お子さんへの安全対策の必要性と防犯ブザーの効果と使い方についてご紹介していきます。「防犯ブザーは何を選べばいいの?どうやって使えばいいの?」といった疑問も一緒に解決していきましょう。
子供への犯罪行為の割合は増えている
近年、全国での被害認知件数は減少傾向にあると言われています。しかし、いつかお子さんが犯罪の被害に遭うかもしれません。
私たちの努力では犯罪者を減らすことは難しいです。ですが、犯罪者から我が子の身を守ることはできるはずです。被害に遭わないため、対策をたてていきましょう。
特に13歳未満の子供が被害を受けやすい
お子さんが幼稚園や保育園に通っていたときは親御さんの送り迎えや通学バスを使うことで、毎朝安心して我が子を送り出すことができました。しかし、小学校に入学すると、場合によっては少数で登校をしたり、ひとけの少ない道を通らざるを得なかったり、あるいは他の子と時間が合わず1人で登校や下校をすることがあるかもしれません。
そのため入学する6歳から卒業する12歳までの小学生のお子さんがいらっしゃるご家庭では、特に注意を払ってお子さんを見守る必要があるのです。
自分の身を守れるようになる防犯対策が必要
とはいったものの、親御さんが通学に付きっきりになってしまってはお子さんの主体性を損ねてしまいますから、自分の身を守れるよう防犯対策をすることが一番現実的な手段です。
そこで必要なのが、防犯ブザーと不審者に遭遇したときの練習になります。それでは、まず防犯ブザーについて詳しくみていきましょう。
防犯ブザーをランドセルに装着する効果
防犯ブザーをつけることで、どのような効果が得られるのでしょうか。「ブザーの音で不審者を追い払うだけじゃないの?」と思われるかもしれませんが、効果はそれだけではありません。お子さんと一緒に防犯ブザーを使う理由を考えてみましょう。
目立つように装着して犯罪行為を防止できる
もし子供に危害を加えようとする不審者がいたとしても、防犯ブザーを持った子供はできるだけ狙いたくないものです。防犯ブザーを持っていることが相手に伝わるだけでも、犯罪の抑止力として効果を発揮するといえます。ですから、防犯ブザーは相手から見える位置に装着することが大切なのです。
大音量を鳴らして不審者を追い払える
防犯ブザーの音を聞いたことはありますか?優良なブザーの音量を85db(デシベル)以上と言われています。市販の防犯ブザーの音量は90db以上(~130db未満)のものが多いですから、まず音量が小さいブザーはないといっていいでしょう。
90dbは犬が大声で吠える音量、100db電車が通るときのガード下、110db自動車クラクションの音量と言われていますから、ほとんどの大人はのけぞってしまう音量といえます。
そんな大音量を発し続けていたら自然と視線を集めてしまうので、不審者も逃げてしまいますよね。これが防犯ブザーの大きな効果のひとつです。
邪魔にならないので長期的に役立つ
防犯ブザーはかわいい形やかっこいい形、アニメのキャラクターを模したものなど種類が豊富です。そして多くの防犯ブザーは小型で持ち運びもしやすいですから、重荷に感じることもないでしょう。
小学校は6年間通いますから、その間壊れないような丈夫な造りになっているのも、防犯ブザーの大きな特徴です。電池は消耗品なので、年に1回ご家庭できちんと鳴るかどうかの確認することをおすすめしています。
防犯ブザーの設置個所や使い方
防犯ブザーはどこに装着するのがベストでしょうか。ランドセル横のフックに引っ掛けてあるのをよく見かけますが、実はあまり好ましい付け方ではないのです。
また、防犯ブザーの使い方もご存知でしょうか。もしものときに使えなければ、せっかくの防犯ブザーも役立ちません。ここでブザーの付け方、種類、使い方を覚えていきましょう。
ランドセル横は使いにくい!肩ベルトに装着しよう
数年前まではブザーをランドセル横にぶら下げておくのが主流でした。しかし、ランドセル横にブザーを着けておくと、もしものときになかなか引っ張ることができません。ですから、近頃は肩ベルトに装着する使われ方が増えてきました。
肩ベルトに着けておくことで急な場合にも、ブザーを鳴らすことができるので「ブザーがあるのに鳴らせない」といったことにならないので、おすすめの装着方法です。
また先ほどご紹介したように、肩ベルトに装着すると正面から見える状態になりますから、相手に防犯ブザーがあることを伝えることができます。以上の観点から防犯面からも肩ベルトへの装着が適しているといえるのです。
「紐を抜く」「ピンを抜く」「ボタンを押す」の3タイプ
ブザーは大きく3つの種類に分けることができます。それぞれ使い方やメリットとデメリットを確認して、お子さんの性格に合わせたものを選びましょう。
1.紐を引くタイプ
使い方:防犯ブザーから垂れている紐を引っ張ると、ピンが抜けて音を出すことができます。基本的な構造はピンを抜くタイプと同じです。
メリット:つかみが長いのでとっさに使いやすい。
デメリット:誤作動しやすい。
2.ピンを抜くタイプ
使い方:防犯ブザーにピンがあるので、つかんで引き抜くことで音が鳴ります。
メリット:不審者に音をとめられにくい。
デメリット:ピンをなくすと音が鳴り続ける。
3.ボタンを押すタイプ
使い方:補助ロックを解除して、スイッチを押すと音が鳴ります。誤作動防止機能がついているものが多いので、使い方の確認が大切です。
メリット:力がいらず使える。
デメリット:押している間しか鳴らないものもある。
見方によっては長所とも短所ともとらえることができるかもしれません。このようなブザーの性質に得意不得意があるかもしれないため、お子さんに合ったものを選ぶ必要があります。
防犯ブザーを入手したら装着して練習しよう!
防犯ブザーを買ったらまず鳴らすことが大切です。音量口を指で塞ぎながらであればさほど音は拡散しないので、どれくらいの音が鳴るのかそっと確かめてみましょう。
実際の状況を想定して緊急ときの行動を教える
とっさに動こうと思っても、知識や経験がなければどうしていいか分からないかもしれません。あらかじめ緊急事態を想定した練習をすることで、実際に事態が起きた際にも適切な行動ができるようになるものです。
大声を出す、ブザーを鳴らして逃げる、お店や子供110番の家など安全な場所に入るといった一連の行動をお子さんと一緒に確認しておきましょう。
子供がパニックで行動できないこともある
大人でも犯罪に巻き込まれたら即座に行動できるものではありません。誰でも頭が真っ白になってしまった経験はあるのではないでしょうか。その状況でとっさに動くのはなかなか難しいものです。
もしお子さんが被害に遭いそうになったり、危険な状況にならないようにするためにも、自分1人で解決しようとせず、学校の先生や近所の大人の力を借りましょう。
地域の防犯性を高めるためパトロール実施も大切
子供への犯罪被害を減らすために、地域全体で見守る雰囲気をつくることも大切です。お住まいの市町村によっては、シルバーボランティアの方や地元の会社、あるいはお役所の方があいさつ運動や見巡りをしてくれることがあります。子供がいると私たちも元気がもらえますから、地域の方だけでなく社会全体で見守っていきたいですね。
しかし、地域でパトロールを行うことは、都合があわないなどで、実施することが難しいです。その際は、業者にパトロールを依頼してみることをおすすめします。無料で相談にのってくれるところもあります。
まとめ
子供の犯罪被害の割合は年々増していますから、自分で守る力をつけることが大切です。そこで活躍するのが、今回ご紹介した防犯ブザーになります。防犯ブザーを持たせてあげることで、視覚的な防犯だけでなく音で危機を知らせることができるので、防犯効果が大きいのです。
防犯ブザーの購入をお考えの場合は、今回ご紹介した3種類のブザーのメリット・デメリットを考え、お子さんの性格に合った防犯ブザーを選びましょう。そして防犯ブザーを買った際には、すぐに音量確認で鳴らしてみることが大切です。また、通学で使われるランドセルやリュックサックの肩ベルトに装着することで、防犯ブザーを使いやすくすることができます。
防犯ブザーだけでは不安という方は、パトロールの実施を検討してみるのもよいかもしれません。